家庭菜園 どんな野菜を育ててみよう?



 家庭菜園を始めるにあたって、まず最初に考えるのは「どんな野菜を育ててみようか?」ということだと思います。色々な野菜をあれこれ考えるもの家庭菜園における楽しみのひとつです。
 まず思い浮かぶのはナス、キュウリ、トマト、枝豆といった王道野菜でしょうか?秋には大根なども植えてみたいものです。
 でもちょっと待って下さい。家庭菜園というのはその名のとおり、一般家庭の庭やプランターといった限られたスペースで行うものです。農家の方が広い畑で行う野菜栽培とは環境が違います。
 住宅地ですから日当たりがあまりよくないかもしれませんし、水はけが悪かったりする場合もあります。また山を切り開いたり盛り土する等して造成された土地の場合は粘性土や砂れき土が主体の痩せた土地である場合もあります。
 このような土地に最初から肥沃な土地で日当たりのより環境を好む野菜を植えても上手く育つわけがありません。
 これらの環境は数年かけ改善出来る場合もありますし、環境にあった野菜を選ぶことで解決することが可能な場合があります。
 本ページでは数多く栽培されている野菜の特徴をご紹介しております。皆さんの環境にあった野菜を選び、家庭菜園を楽しむ手助けができれば幸いです。


目 次

植える季節で野菜を選ぶ
 春〜初夏から育てる野菜
 初夏〜秋から育てる野菜
 いつでも育てられる野菜
 多年性の野菜
 
酸性度でみる野菜選び
 酸性に強い野菜
 酸性にやや強い野菜
 酸性にやや弱い野菜
 酸性に弱い野菜

日当たりでみる野菜選び
 日当たりを好む野菜
 多少の日陰でも育つ野菜
 日陰でも育つ野菜

気温でみる野菜選び
 高温を好む野菜
 冷涼な気温を好む野菜

水はけの良さでみる野菜選び
 多少多湿のほうがよい野菜
 土が乾燥していた方がよい野菜
 雨の降らない日が続いた場合どうすればいいの?
 


植える季節でみる野菜選び


 多くの野菜は春に植え付けますが、秋に植え付けるものもあれば春・秋どちらでも植え付け可能な野菜もあります。野菜の植え付け時期を把握することにより春植えの野菜を収穫後、秋植えの野菜を育てるなど有効的に畑を活用することができます。


春〜初夏から育てる野菜

 トマトナスキュウリトウモロコシエダマメ・インゲン・ジャガイモサツマイモ・スイカ・ネギサトイモショウガ・ツルムラサキ・ブロッコリー・カリフラワー白菜セロリ落花生人参ゴボウオクラ山芋・長芋・自然薯米 稲(バケツ栽培)カボチャ


初夏〜秋から育てる野菜

 ダイコン・シュンギク・白菜カリフラワー・ブロッコリータマネギエンドウ・カブ・セロリ・チンゲンサイ・ニンニクそら豆白菜人参ジャガイモ


いつでも育てられる野菜

 キャベツホウレンソウ・レタス・パセリ大根



多年草

 ミョウガニラアスパラガス



酸性度でみる野菜選び


 石灰による土のpH調整は家庭菜園の基本ですが、降雨量が多くアルカリ分が流されてしまう日本は酸性土壌が多いのに対し、多くの野菜は弱酸性の土壌を好む傾向があります。これは多くの野菜の原産地である北アフリカ、地中海沿岸、東・西アジアといった地域が日本に比べ降雨量が少なく土壌が弱酸性であることが理由と考えられていますが(特に現在栽培されている農作物の半分以上は冬は温暖で夏に乾燥する地中海沿岸から中東にかけてが原産地となっています)、家庭菜園において酸性に弱い野菜については特に慎重なpH管理が求められます。

※一般的に植物は酸性土壌だと地中のリン酸の吸収が阻害され、アルカリ性に傾くと鉄やマグネシウムといったミネラル分の吸収が阻害されます。そしてpHが7を超えて完全にアルカリ性になると殆どの植物は生長する事ができなくなり、まさに「ぺんぺん草も生えない」状態になってしまいます。 



酸性に強い野菜(pH5.0〜5.5)

 スイカ・ジャガイモ里芋サツマイモオクラ


酸性にやや強い(pH5.5〜6.0)

 トマトナスにんじんキュウリ大根トウモロコシ・カブ・カボチャニンニク


酸性にやや弱い(pH6.0〜6.5)

 白菜キャベツ・レタス・ニラ生姜


酸性に弱い(pH6.5〜7.0)

 インゲン・タマネギネギほうれん草



日当たりでみる野菜選び


 日当たりの良し悪しは野菜の出来を左右する重要な要素。しかし多少の日陰でもそれなりに育ってくれる野菜もありますし日陰を好む野菜も存在します。

日当たりを好む野菜

 ナスキュウリトマトカボチャサツマイモジャガイモニンジン・スイカ


日陰の時間帯が多少あっても育つ野菜

 キャベツ白菜ほうれん草ネギ・レタス・ラッキョウ・サトイモ・ツケナ・ミズナ・ハーブ類・生姜


日陰でも育つ野菜

 ミツバ・フキ・ミョウガ



気温でみる野菜選び


 植物が光合成を行うには水・日光・適した温度が必要で気温は野菜栽培における重要な要素です。特に高温を好む野菜を寒冷地で育てる育てる場合はポリマルチビニールトンネルといった寒さ対策が必要となってきます。


高温を好む野菜

 トウガラシオクラサツマイモサトイモショウガラッカセイナス


冷涼な気温を好む野菜

 キャベツ白菜ほうれん草ネギ・レタス・ニンジンゴボウジャガイモタマネギ・エンドウ・ソラマメ・カブ・ニンニクダイコン


水はけの良さでみる野菜選び


 露地栽培の場合は一般的に水はけはよい方がよく、水やりもほとんど不要なのですが、中には多湿や多くの水分を必要とする野菜も存在します。本項ではその傾向が特に顕著な野菜をピックアップしてご紹介いたします。


多少多湿のほうがよい野菜

 ミツバサトイモゴボウナス


土が乾燥していた方がよい野菜

 トマト・スイカ・サツマイモ・インゲン・ジャガイモカボチャダイコンネギ


雨が降らない日が続いた時はどうすればいいか

 多くの野菜は露地植えの場合、多少雨の降らない日が続いても問題なく育ってくれます。ただ雨が一滴も降らず猛暑日が1週間以上続くような環境になってくると、土の中の水分が不足し野菜の成長が鈍化してきます。また肥料の栄養分も吸収されにくくなってくるので、雨不足の時には水やりすることをおすすめします。


 水やりの方法
 水やりはまだ気温が低くかつ野菜の活動が活発な午前中、できれば朝に行います。水やりは毎日行う必要はありませんが、行う際には畝に水たまりができるほどたっぷり水をあげまるようにします。なお午後の水やりは水が急激に土や植物の温度を下げるので植物の葉や根を傷めるおそれがあります。どうしても午後に水やりをする場合はできるだけ日差しの少ない夕方に行うようにしましょう。


 こまめに水やりしたほうが良い野菜
 前段で「露地植えの場合、多少雨の降らない日が続いても問題なく育ってくれます」とご紹介しましたが、収穫を間近に控えた野菜は水やりをこまめに行った方が良い場合もあります。具体的にはトウモロコシやナス、キュウリといった野菜で、これらの野菜は収穫間近の時期にこまめに水やりをすることでより美味しくみずみずしい実を実らせてくれます。また逆に水をやることで品質が落ちてしまう野菜もありますトマトなどがよく知られていますが、トマトは若干乾燥気味のほうが、より甘く品質の高い実を実らせるといわれています。


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