スナップエンドウ(エンドウ)



スナップエンドウ 育て方 栽培 エンドウ豆は大変昔から栽培されている中央アジアから中近東が原産といわれている豆科の野菜で、古代エジプトではすでに栽培が行われていた事が確認されています。
 栄養分はビタミンA、B1、Cの他ミネラルや食物繊維も多く含まれており、収穫後素早く加熱する事で市販の物とは比べものにならないほどの甘い味を楽しむ事ができます。調理の際は短時間とし素材本来の味を損なわないようにするのが美味しく食べるポイントです。
 なおエンドウには青く未熟なうちに収穫し莢ごと食べるサヤエンドウ。大きくなった実を食べるエンドウ(グリーンピース)、大きな実に成ったものを莢ごと食べるスナップエンドウ等がありますが、基本的な育て方は同じですので本ページではまとめてスナップエンドウとしてご紹介しています。




スナップエンドウの栽培・育て方の特徴・コツ

連作障害が出やすいので4〜5年はあけるようにします。

・酸性土に弱いので苦土石灰による土壌改良はしっかりと行いましょう。

・株間は30〜40センチ。

・暑さに弱く寒さに強いので種を蒔く時期を逃さず、上手く冬越をする事が上手く育てるコツです。



スナップエンドウ(エンドウ)の栽培暦


スナップエンドウ エンドウ 栽培暦 栽培時期

 スナップエンドウ(エンドウ)におけるおおまかな栽培暦(栽培時期)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により栽培時期は多少前後します。おおまかな目安として発芽適温は18〜20度ですが4度以上で発芽し(低温の場合発芽日数は多くなります)、生育適温は15〜20度前後。幼苗は4〜7℃の低温に耐え低温にあたることで花芽の分化が進みます。このような特質から秋まき春採りが一般的ですが、冬の寒さが厳しい寒冷地では初春に種を蒔き初夏に収穫する場合もあります。また気温が25度以上になると成長が止まり徐々に枯れ始めるので、どの時期に栽培するにしても本格的な暑さが到来するまでに収穫を終わらせるようにします。
 


土づくり

 連作障害が出やすく酸性土壌を嫌うので前作から4〜5年ほどあけた場所に苦土石灰をよくまいて耕します。種まきの10日ほど前に堆肥を1uあたり1〜2kg入れ90センチ幅の畝を作ります。豆科は根粒菌の働きにより窒素分を作り出すので元肥には窒素肥料はあまり必要ではなく、鶏糞や草木灰、米糠といったカリ、リン酸を中心とした有機肥料を施すようにしましょう。



種まき

 種は初霜がおりる直前を目安に蒔きます。種を蒔くのが早すぎると冬を迎えるまでに成長しすぎ、また遅すぎると冬の寒さに耐えられる程の大きさに成長せず失敗してしまいます。
 種まきの株間は30〜40センチで3〜4粒づつの点蒔きとし、種は鳥に食べられてしまうことがあるので2〜3センチの覆土をしっかりと行います。



種まきポット・苗

 マメ類は種まきから発芽までの間、鳥害が多いので種まきポットで苗を育てて定植するのも一案です。 種まきポットで苗づくりをして植える場合も基本的な育て方は直播と同様で、種まきポットは直径9センチのものに3〜4粒づつ種を蒔いて苗を育てます。
 種まき後3週間ほど経過し、苗の本葉が4〜5枚ほどになったら種まきポットから苗をとりだし畑に植え替えます。



防寒

 霜がおりて寒さも厳しくなってきたら、畝の北側の土を寄せて北風から防護し、根元は敷きわらや落ち葉で覆い防寒対策を施します。トンネル支柱で寒冷紗で覆う等の処置も効果があります。冬になると葉先が少々枯れたりしますが、春になると元気に成長しはじめます。



支柱たて・腋芽の誘引

スナップエンドウ エンドウ 支柱 腋芽 誘引  春になり気温が高くなってくると腋芽が伸びてきますので、支柱を立ててネットやヒモで腋芽を誘引します。基本的にエンドウは誘引の処置を施さなくても腋芽から巻きひげが伸び支柱に絡んで伸びていきますが、枝葉が混み合うと日照不足による結実障害をおこす場合がありますので、この場合はつるが等間隔となるように誘引していきましょう。つるが混みすぎて風通しが悪くなるとうどんこ病などが発生する場合があります。
 また支柱の立て方ですが、苗の四方に支柱を立てて高さ15センチ毎にヒモを張り腋芽を誘引する方法や、フェンス仕立てに支柱をしエンドウの花を楽しむのも一案です。植物は基本的に日の当たる方向(南東方向)に伸びていく傾向があるので、このことを考慮して支柱を立て上手く腋芽を誘引していきましょう。



摘芯・追肥

 追肥は草勢を見ながら開花期及び収穫始めのころに行います。
 またエンドウは分枝するにつれて着果が少なく、また気温が高くなるにつれ莢の品質が下がってくる傾向にありますので、花芽が出始めたら頃に第3次分枝や花つきの悪い枝葉を中心に摘芯していきます。



収穫

 収穫の目安は花が咲いてからサヤエンドウが12〜20日、実エンドウは40日を目安に収穫します。
 サヤエンドウは莢がまだ柔らかいうちに、実エンドウは実がふくらんできてからが食べ頃です。
 収穫の時期をずらすことによりひとつの株からサヤエンドウとエンドウ(グリーンピース)を収穫する事もできます。



春まき


 寒冷地では流石のエンドウも寒さで冬を越すことができないので、前述してあるように春まきとする場合もあります。春まきの場合も基本的な育て方は同じですが、種は3月頃に蒔き収穫は7月頃となります。 しかし寒冷地における一般家庭の環境で種から育てるのは温度管理が大変ですので、通常はある程度育った苗を種苗店やホームセンターから購入して育てることとなります。



プランターでの栽培


 エンドウは深さ30センチ以上の標準プランターでの栽培も可能です。プランターで栽培する場合は肥料切れにならないように管理し、水やりは朝に行い水切れ・過湿に気を付けましょう。
 エンドウの花は色鮮やかで綺麗なのでベランダなどに置いて花を楽しむのも一興です(下の写真はサヤエンドウの花)。
家庭菜園 サヤエンドウ 花

病気・害虫


 スナップエンドウ(エンドウ)で一番怖いのが連作障害で発生すると極端に生育が悪くなります。春に茎葉が黄色く変色して枯れ始めたら連作障害を疑って見て下さい。この他アブラムシハダニハモグリバエさび病などの被害も発生することがあります。
 また蒔いた種が鳥に食べられやすいので、過去に鳥害に遭ったことがある場合は本葉が出るまで鳥除けネットや不織布などで対策を施すようにしましょう。

家庭菜園 防鳥ネット