ブロッコリー・カリフラワー
          
          
          
 ブロッコリー及びカリフラワーは共にヨーロッパが原産とされるアブラナ科の野菜で、ブロッコリーを改良したものがカリフラワーと考えられています。
           主に茎の先端にできる花蕾を食べますが、栄養は茎の方が多くビタミン、ミネラル類が豊富な健康野菜として人気があります。栄養的にはブロッコリーの方が勝り栽培期間もブロッコリーの方が短いので、もし初めて栽培にチャレンジしてみるのであればブロッコリーから初めてみるとよいでしょう。なお両方とも育て方や栽培時期は一緒なので同じ畝で育てても問題はありません。
          
          
          
          
        カリフラワー・ブロッコリー栽培の特徴・コツ
          
          ・葉を十分に広げさせて肥料をしっかりと施し、養分を沢山作らせる事が美味しく大きな花蕾を収穫するコツです。
          
          ・花芽を食べる野菜ですので、他のアブラナ科の野菜とは異なり
花芽分化させてトウ立ちさせる必要があります。この為、低温にあたり花芽分化するまでにいかに十分葉茎を成長させるかが成功のカギとなります。
          
          ・酸性土に弱いので苦土石灰による土壌改良はしっかりと行いましょう。
          
          ・
連作障害が発生しますので、アブラナ科の野菜を育てた事のある土は2〜3年空けてから育てるようにしましょう。
          
          ・株間は早生品種で30〜35センチ、中晩生種で40〜45センチとします。
          
          
          
          
ブロッコリー・カリフラワーの栽培暦
          
           
          
           ブロッコリー及びカリフラワーにおけるおおまかな栽培暦(栽培時期)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により栽培時期は多少前後します。おおまかな目安として
発芽適温は20〜25度、生育適温は15〜20度前後で寒さにあたると花蕾がつきますが、良質な花蕾が収穫できるのは10〜15度の間で、10度を下回る日が続くと成長が止まります。
           なおブロッコリー、カリフラワー共に春まき、夏まきがありますが、夏まきの方が失敗が少なく一般的ですので本サイトでは夏まきの栽培暦を紹介しています。
           なお春まきは春に種を蒔いて6〜7月頃に収穫するもので主に寒冷地での栽培に適しています。
          
          
          
土づくり
           水はけが良く日当たりの良い場所を選んで土作りを行います。ブロッコリーやカリフラワーは日当たりが悪かったり、水はけが悪いと生育が極端に悪くなるので場所選びは慎重に行って下さい。
           土づりは植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を施し十分に土を中和させた後に1週間後を目処に元肥を施し十分に耕します。
           畝は畝高10センチ、畝幅70センチとしますが、ブロッコリーやカリフラワーは葉がかなり張り出すので畝幅は特に余裕をもって確保するようにして下さい。
          
          
          
          
種まき・育苗
          
  7月の中旬頃に
ポットに種をまき、液肥を与えながら本葉5〜6枚ほどになるまで育てます。育苗中の水やりは朝に行い夕方には表面が軽く乾く程度にし湿害を抑えます。
           本葉が茂ってくると株も張り出してくるのでいよいよ畑への植え付けとなります。
           カリフラワー、ブロッコリー共に害虫による食害を受けやすいので、植え付け時害虫対策の為の薬剤を植え穴にまいておくと効果的です。
          
          
          
          追肥・土寄せ
           植え付けて1週間後に1回目の追肥として株間に軽く1握りの化成肥料を施し、軽く中耕して土寄せします。その後20日ほど経過したら今度は畝肩に施します。
           
          
          
          
結蕾・軟白
           ある程度の大きさまで育った株が寒さにあたると花芽分化が起こり結蕾します。またカリフラワーは花蕾が鶏卵ほどの大きさになったら外葉で花蕾を包んでヒモなどで結び、日に当てないようにします。カリフラワーの花蕾は日光にあたると黄色く変色してしまいますので、変色しないように丁寧に行いましょう。なおこの作業は霜や害虫の被害を防ぐ効果も期待できます。
           花蕾が大きくなると強風時等に倒れることもあるので、根を傷めないように根元から離れた場所に仮支柱を立て補強します。 
          
          
          
          
収穫
          
  花蕾の直径が10〜15センチほどになったら茎も10センチほどつけて切り取り収穫します。人の親指と人差し指を広げると大体10〜15センチとなるので、大まかな目安とすればよいでしょう。
           ブロッコリーは頂花蕾を収穫した後でも腋芽の花蕾が順次肥大していきますので、そちらも随時収穫することができます(注:カリフラワーは腋芽が育っても再収穫することはできません。腋芽は随時摘芯して下さい)。品種や気候によっては冬いっぱい収穫することができますので腋芽がでてきたら速効性の肥料を随時施し肥料切れにならないように注意しましょう。なお冬場は花蕾の表面が赤紫色に変色する事がありますが、食べても問題ありません。
          
          
          
          プランターでの栽培
          
           ブロッコリー、カリフラワー共に深さ30センチ以上のあればプランターでの栽培も可能です。プランターで栽培する場合は肥料切れにならないように管理し、水やりは朝に行い水切れ・過湿に気を付けましょう。
          
          
          
失敗の原因 
          
           ブロッコリーやカリフラワーの栽培は意外と難しく失敗することも多いのですが、失敗は大きく分けて「花蕾が成長しない」、「病害虫にやられてしまう」の2つに限られます。
          
           上手く花蕾を成長させるには前述してありますが「
低温にあたり花芽分化するまでにいかに十分葉茎を成長させるか」が成長のカギとなります。ですから日当たりが良く水はけの良い場所で育て、肥料切れをおこさないようにするのが失敗を防ぐコツとなります。
          
          

 またブロッコリーやカリフラワーはアブラナ科の野菜ですので害虫による被害を受けやすく
アブラムシや
青虫、
ヨトウムシ、
ネキリムシ等が好んで集まってきます。対策としては予防的に事前に薬剤を散布しておき、仮に害虫を見つけたら大量発生する前に駆除していきましょう。
           また高温多湿の環境では
立枯病や
軟腐病が、肥料不足でべと苗が発生しやすくなりますので気をつけるようにしましょう。