落花生



落花生 栽培 落花生は南アメリカのアンデス地方が原産といわれる高温乾燥を好む豆科の野菜です。栽培の難易度は比較的低く適した土壌と温度があれば多少ほったらかしにしても元気に育ってくれます。
 実は開花し受粉した「子房柄」と呼ばれるものが土に潜って形成されたものです。この為、霜やコガネムシの幼虫といった地中での被害に弱く油断していると気がついたらやられていたなんてこともよく聞くお話です。
 成分はオレイン酸とリノール酸を含んだ油分の他ビタミンE等も多く含まれており、健康野菜としても見直されています。家庭菜園で採れる落花生は炒らずに天日干ししたり、塩ゆでにしたりと市販のものとは異なるワンランク上の味を楽しむ事ができますので是非一度お試し下さい。



落花生栽培の特徴・コツ

・カルシウム分を含む苦土石灰を施すことにより実入りが良くなります。

・水はけの良い砂質土のような土を好みます。

・株間は20〜30センチとします。

・酸性土に弱いので苦土石灰による土壌改良はしっかりと行いましょう。

・連作障害が発生しますので、落花生を含めた豆科の野菜を栽培した場所では2〜3年空けてから育てるようにしましょう。



落花生の栽培暦・時期


落花生 時期 栽培暦 カレンダー

 落花生栽培におけるおおまかな栽培時期(カレンダー)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により時期は多少前後します。おおまかな目安として発芽適温20度前後、生育適温25〜30度で気温が25度を超えると一気に成長が加速します。また気温が15度以下の環境では成長が止まってしまい、北海道など年間の平均気温が9度を下回る地域では栽培に適しません。



土づくり

 落花生は豆科の野菜なので肥沃な畑では肥料は特に必要なく、痩せ地の場合は施すようにしましょう。ただしカルシウム分を含む苦土石灰は落花生の実入りを左右する重要なものですので1uあたり5握りほどしっかりと施しておきましょう。
 畝幅は60〜70センチ、畝高は10センチとし、春先の平均気温が15度以下となる地域では保温用の黒いポリマルチを施すとよいでしょう。



種まき

 落花生の発芽温度は高く、直接畑に種を蒔いても発芽しにくいばかりか鳥に食べられてしまうこともあるので、ポットで苗を育ててから畑に植えるようにした方が無難です。
 種蒔きはゴールデンウィークがすぎたあたりに川砂もしくは培養土(水はけの良い有機成分をあまり含まなく砂質分の多いものが適しています)をいれたポットに一晩水に浸けた種を2〜3粒、2センチの深さに埋めます。その後は暖かい所に置き発芽したら薄めの液肥等を施し本葉が3〜4枚ほどになるまで育てます。
 家庭菜園の現場では保温が難しい場合もありますので、その場合はホームセンターや種苗店などから苗を直接購入すればよいでしょう。
 苗の植え付けは株間20〜30センチで行います。



追肥・中耕・土寄せ

 落花生は種まき後、2〜3ヶ月で花が咲き始めますので、開花が始まったら受粉した雌しべが地中に潜りやすいように、除草して中耕・土寄せします。土寄せすることで雌しべが土に潜りやすくなり、中耕することで雌しべがより深く地中に潜っていけるようになります。1回目の土寄から15〜20日ほど経過後、子房柄の大半が地中に潜り始めてら2回目の土寄せを行います。2回目は土を寄せるというよりは上からかけてやるような感じで行い、すでに子房柄が潜っている状態ですので中耕は行いません。
 また落花生の生育状況が良くない時はこのタイミングで追肥を施しておきます。肥料は畝の両脇に蒔くようにし、窒素分を控えめにカリウム分が多いものを使用するようにしましょう。
 なお摘芯は必要ありません。



収穫

落花生 栽培 収穫 収穫のタイミングは10〜11月になり茎葉が枯れ始めた頃となります。下葉が黄色くなってきたら一度試し掘りをして確認し、さやに網目ができていたら収穫となります。
 堀上げた落花生は水洗いして畑に積み上げ天日干しにすることにより旨味が増します。また長期間保管する場合Hあ1週間ほど天日干しした後、風通しのよい日陰で乾燥させます。



落花生栽培の土壌


 落花生は豆科の野菜ですので前述してあるとおり、難易度は比較的低い野菜です。栽培地域、時期、土壌などの条件が合っていれば難易度は格段に下がりますので、本項では落花生の栽培に適した土壌についてご説明していきます。
 落花生が好む土壌は水はけの良い土で、具体的には軽い砂質土や火山灰地等があげられます。落花生を専門に栽培する場合は砂質土の土壌に改良するため砂を混ぜたりする場合もありますが、他の野菜を栽培するときにマイナスの影響が出る場合があるので、一般の家庭菜園の現場では、完熟堆肥を施し落花生の栽培に適した水はけのよい土壌に近づけるようにするとよいでしょう。


落花生の栽培地域


 落花生は暖かい気候を好む野菜で25度以上の高温下でよく生育し多収穫が望めます。また栽培限界温度は年間平均で9度といわれ、青森県が栽培地域の北限とされています(注:ただし寒冷地では保温目的のマルチが必要となります)。つまり津軽海峡を渡った北海道での栽培は困難というわけですが、近年の温暖化の影響からか道南地方では落花生の栽培にチャレンジする愛菜家もいるのだそうです。なお落花生は10号鉢の大きさで1株育てる事ができますので、もし北海道にお住まいの方で育ててみたいという方は鉢植えもしくはプランターで温かい環境で育ててみるのも一案です。
 


落花生の食べ方


 一般的な落花生の食べ方は天日干しした後、実を取り出しフライパンなどで弱火で10〜15分ほど炒って食べる方法。落花生は炒ると酸化が進むので生の状態で保存し食べる分だけ炒るようにします。
 この他早めに収穫して水洗い後、さやごと塩ゆでにしても美味しく食べる事ができます。ゆで時間は30分前後が目安ですが、ゆで時間を短くすると歯ごたえのあるしっかりした味に、長く茹でると柔らかくクリーミーな味に仕上がります。 
 茹でた落花生は家庭菜園ならではの味ですので是非一度お試し下さい。


落花生栽培の失敗例


 落花生は高温、乾燥を心がければある程度ほったらかしにしても元気に育ってくれます。そんな落花生の一番の大敵が「コガネムシの幼虫」です。コガネムシの幼虫は土の中で落花生に穴を空けて食害し、その被害は目視では確認できないので厄介です。前年にコガネムシが発生した畑では土作りの時点で薬剤を散布してコガネムシの発生を防ぐようにしましょう。
 この他、空さやが多い場合はカルシウム分を含む苦土石灰を散布したり窒素分の肥料を控えると実入りが改善する事があります。

 写真はコガネムシの幼虫の食害にあった落花生です。ほとんどの実に穴が空けられ中身は食べられてしまい、さやは腐って黒くなってしまってます。
落花生 栽培 コガネムシ 幼虫