三つ葉(ミツバ)
三つ葉は日本、中国、朝鮮半島を中心とした東アジアの山野に広く自生するセリ科の多年草で1本の茎に3枚の葉がつくことからこの名がつきました。さわやかな香りの割にはアクが少ないのが特徴の香味野菜で日本料理には欠かせない名脇役です。
栄養もカロチンの他ビタミンCやミネラル、鉄分等を含み味にクセがなく他の食材の邪魔をしない使い勝手のよい野菜です。
家庭菜園で栽培する場合、三つ葉は多年草ですから植えっぱなしにしておいても毎年芽を出しますが、連作障害がありさらに古株になると香りが弱くなってきますので、植えっぱなしにせず毎年つくりなおすようにします。
三つ葉の栽培・育て方の特徴・コツ
・
連作障害が出るので、3〜4年はあけるようにした方が無難です。
・乾燥と直射日光に弱く、多少日当たりの悪い半日陰の場所の方がよく育ちます。
・株と株の間は3〜4センチとします。
・発芽に光を必要とする
好光性種子なので種まき後の覆土は薄く施します。
・スーパー等で販売されているスポンジ付きの三つ葉はスポンジを取った根付きの三つ葉を土に植えると元気に葉を茂らせるので手間が省けます。
三つ葉の栽培暦・栽培時期
三つ葉におけるおおまかな栽培暦(栽培時期)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により栽培時期は多少前後します。おおまかな目安として
発芽適温は15〜20度で温度が8度になれば発芽しはじめます。また30度を超すと生育が悪くなり、冬場は地上部が枯れてしまいますが根の部分は生きており気温が上がり始めると再び発芽しはじめます。
土作り
土作りは基本的な事を守っていれば特筆するような事柄はないのですが、種まき前に苦土石灰を軽くまいて耕し、肥沃な土を好むので元肥は堆肥の他に化成肥料も施しておくとよいでしょう。
土づくり・種まき
畝は
ベット畝とし春か秋に種を約1センチ間隔の
すじまきとします。
三つ葉は前述してあるとおり発芽に光を必要とする
好光性種子なので種まき後の覆土は薄く施し、種が乾燥しないように水やりを行います。発芽時に光が当たらなかったり乾燥したりしてしまうと発芽せず栽培失敗となってしまいます。このように三つ葉の発芽率は他の野菜に比べ低いので市販の三つ葉の根元スポンジをとって根が付いた状態の三つ葉を植えるのも一案です。種を蒔くよりも簡単で失敗することが少ないです。下の写真はスポンジを取った状態の三つ葉。このまま鉢に植えても元気に育ってくれます。
収穫
発芽したら株間が3〜4センチとなるように間引きをし、草丈が20〜25センチほどになったら収穫できます。収穫は根元を2〜3センチほど残して収穫し、収穫後は液肥など速効性の肥料を施し再生を促すと1ヶ月ほどで再び収穫できるようになります。三つ葉は密集させて育てると茎の色が白っぽく柔らかい三つ葉が、株間を広くとって育てるとシャキシャキした歯ごたえの三つ葉が育ちます。
根三つ葉 栽培(軟白栽培)
根三つ葉は春に種まきをして1年かけて根株を育て、冬に地上部が枯れたら5〜6p程覆土をし、春先に芽が出る前に更に覆土をします(合計で15〜20p程覆土します)。そして種まきから1年たった翌年の春先に新芽が出たのを見計らって根ごと掘り起こして収穫します。根三つ葉は掘り起こすと次第に鮮度が落ちていきますので早めに食べるようにしますが、やむなく保存するときは濡らした新聞紙に根三つ葉をくるんで冷蔵庫で保存します。
一般的に根三つ葉は肥大化した茎の部分を食べるのが一般的ですが、根の部分も食べる事ができます。
室内の鉢植え栽培
三つ葉は一度に大量に消費するような野菜ではないので鉢植えにして室内で育ててみるのも一案です。特に気温が下がる冬のあいだ外に植えっぱなしにしてある三つ葉は地上部が枯れてしまいますが(根の部分は生きていて春になると再び芽を出しはじめます)、鉢植えにして室内で育てていると冬でも必要に応じて収穫する事ができます。
三つ葉を鉢植えで育てる場合、さほど大きな鉢は必要ありませんが、深さは15センチ以上ある蜂鉢を使用するようにして下さい。
またこの他前述してますがスーパー等で販売されているスポンジ付きの三つ葉はスポンジを取った根の部分を植木鉢に植えても鉢植え栽培することができます。
栽培失敗 例
三つ葉は発芽さえしてしまえば植えっぱなしでも育っていく栽培失敗のすくない野菜ですが、やはり植物である以上栽培に失敗してしまうこともあります。本項では三つ葉の栽培における失敗例をいくつかご紹介していきます。
病害虫
三つ葉は病害虫の少ない野菜ですが、アブラムシはよく発生します。三つ葉は葉茎を食べる野菜ですからアブラムシが大量に発生してしまうと食べる気も失せてしまいます。対策として室内で鉢植え栽培する事などがあげられます。またセリ科の野菜なのでキアゲハの幼虫が発生することもあります。
発芽しない
本ページでも何度か記載してますが、三つ葉は発芽しにくい野菜です。原因として発芽時の光が足りない、乾燥などがあげられますが、対策としては種を一昼夜水に浸してから蒔く、種から発芽させるのではなくスーパー等で販売されているスポンジ付きの三つ葉のスポンジを取った根の部分を土に植える等があります。