人参の栽培方法



人参 栽培 人参は中央アジアが原産とされる20度前後の涼しい気候を好む野菜です。ゆっくりと成長するためビタミンやカロチンを豊富に蓄える代表的な栄養野菜です。病害虫にも比較的強く失敗しにくいので家庭菜園におすすめの野菜で、家庭菜園で採れる人参は市販のものに比べ、人参特有の「えぐみ」が無く甘いので人参が苦手という人にもおすすめです。





人参栽培の特徴・コツ

・発芽しにくい野菜で乾燥させないようにかつ光が当たるように種を蒔くのがポイントです。

・連作障害は出にくいですが、ネコブセンチュウが発生する事があるので1〜2年栽培間隔を空けた方がよいでしょう。

・肥料が根に当たると割れ根をおこすので完熟堆肥を使用し土作りは丁寧に行いましょう。

・酸性土に弱いので苦土石灰による土壌改良はしっかりと行いましょう。



人参の栽培暦


人参 栽培暦

 人参栽培におけるおおまかな栽培暦(カレンダー)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により時期は多少前後します。おおまかな目安として発芽適温、生育適温共に15〜25度ですが、冷涼な気候を好み寒さには強く暑さには弱いです。
 一番育てやすいのは初夏の頃に種を蒔く「夏まき」で、比較的気温の低い地方ではニンニクや玉ねぎを収穫した後の畑に人参の種を蒔くとタイミング良く育ってくれます。



土づくり

 人参はアルカリ性の土を好みますので、酸性土の高い土は種まきの2週間前に苦土石灰を施しておきます。人参は土に塊があると根が割れてしまいますので、土作りに使用する堆肥は完熟したものを使用し、なるべく早い時期に施しておきます。場合によっては前作の野菜収穫後に堆肥を施しておいてもかまいません。耕す深さは30センチほどとし、畝幅は40〜50センチとします。元肥は根が肥料に当たると根が割れてしまうので、側面に施しておきます。



種まき

 人参は好光性なので種まきは畝に割り箸などで深さ1センチほどのまき溝を2本設けすじ蒔きとします。種を蒔いた後は覆土し上からしっかりと押さえておきます(注:人参は好光性種子なので覆土が厚いと発芽率が落ちてしまいます)。なおすじ間は20センチとします。
 人参はなかなか芽が出にくい野菜で、人参栽培の要は種まきにありという人もいるほどです。上手く発芽させるコツは土を乾燥させないようにすることで、乾燥を防ぐために種まき後は籾殻などを薄く蒔き養生するとよいでしょう。また人参は発芽してからの日数で収穫のタイミングを計るので種を蒔いた日や発芽を確認した日はしっかりと記録しておきましょう。
 なお人参の発芽率は50%前後といわれていますので、このことを考慮したうえで種蒔きの密度は高めにしておきましょう(1センチに1〜2粒がおおよその目安です)。



間引き・追肥・土寄せ


間引き
 上手く発芽したら今度は間引きですが、間引きは2回ほどに分けて行います。1回目は本葉が1〜2枚出てきたところで行い、混み合った部分で元気の無い株を間引きます。2回目は本葉が5〜6枚になった頃に株間が10〜15センチとなるように行います(株間は広い方が大きな人参が育ちます)。2回目の間引きの頃になると根も伸びてきてますので、土を掘り起こさないように根元を押さえて静かに引き抜きます(土が乾いているときは灌水すると引き抜きやすくなります)。


追肥・土寄せ
ニンジン 人参 肥料 追肥と土寄せも間引きのタイミングで行います。肥料は草木灰のようにカリウム分の多いものを中心に2回目の間引き時に施し、2回目の間引きの際には根の肩が見えなくなるまで土寄せも行っておきます。
 人参は肥料切れをおこすと根が肥大しませんので追肥はしっかりと行いましょう。ただし肥料分が多すぎると今度は根が割れてしまいますので、2回目の間引き以降は追肥を施さないようにします。 基本的に人参の栽培後半は肥料、水やりは必要ありません。


収穫

 収穫は発芽後の日数を目安に行います。日数は購入した種の袋に記載されていると思いますが、おおよその目安としては三寸人参が80〜90日、五寸人参が100〜120日、長根系が120〜140日です。葉が黄色くなってくるまで収穫しないでいると根が割れてしまったり固くなってしまったりしてしまいます。また収穫する前には念の為に土を少し掘り根の太り具合を確認しておくと間違いないでしょう。



人参の連作


 人参は連作の可能な数少ない野菜のひとつです。連作をした方がよい品質の人参が採れるといわれていますが、連作しているとネコブセンチュウも発生しやすくなります。もし家庭菜園の現場で人参を連作する場合は根の状態を常にチェックしネコブセンチュウが発生していないか確認するようにし、予防対策として毎年完熟した堆肥を適量施したり(堆肥は多くてもまた少なくてもネコブセンチュウは発生しやすくなります)、マリーゴールドを混栽するといった工夫をするとよいでしょう。
 もしネコブセンチュウの発生が確認できたら薬剤で土壌消毒し発生の拡大を最小限に抑えるようにしましょう(ネコブセンチュウが発生すると人参の表面に水疱瘡のようなブツブツが発生します)。



人参のプランター栽培


 ミニニンジンはプランターでも栽培可能で生食できる品種も出ているのでそちらを試してみるのも一興です。栽培方法は地植えとほぼ一緒ですが市販の野菜栽培土を使用すると楽です。また追肥は速効性のある液肥を使用するとよいでしょう。


人参栽培の失敗例


病害虫

 人参を代表する害虫で有名なのが、キアゲハの幼虫です。美しい成虫の姿に惹かれあえて駆除しない方もおられますが、駆除するか否かは自己責任で判断して下さい。他に気をつけないとならないものとしてはコオロギやネコブセンチュウ等があげられますが、特にネコブセンチュウは一度発生すると後々厄介な事になるのでしっかりと注意観察し場合によっては対策をしておきましょう。



人参が割れる

人参 割れる  人参が割れる現象は「裂根」といい原因は中心部の成長と周囲の肉部の成長に差異が生じる為におこります。排水の悪い畑や肥料分が過剰な畑などで発生しやすく、対策としては堆肥などの有機質を多くし土壌を改善する、畝を高めにして排水性を高める、生育後半時の追肥や水やりは行わない、収穫時期を見逃さず適期に収穫する等があります。
 この他根が二股になる「岐根」は根の真下に硬い土や未成熟の堆肥や有機肥料、化成肥料などがあると発生します。またネコブセンチュウも原因となります。対策としては堆肥は完熟したものを使用し肥料分は根の側面に施す事などがあげられます。