キャベツ
キャベツは西ヨーロッパが原産とされ、ビタミン、ミネラル類を豊富に含む栄養価の高いアブラナ科の野菜です。暑さに弱く寒さに強い野菜ですが、品種が豊富で現在ではほぼ1年中栽培、収穫することができるようになりました。家庭菜園の環境でも春、夏、秋に種まきが可能ですが、涼しい気候を好むので秋に種をまき、翌年の春に収穫する品種がおすすめで、夏の時期をまたぐ春まきの栽培は病害虫の発生や暑さ、梅雨による成長阻害で失敗する事が多く難しいので、本サイトでは秋まきと夏まきを中心にご紹介していきます。
キャベツ栽培の特徴・コツ
・育てる土地の気候に合った品種を選ぶようにしましょう。
・酸性土に弱いので苦土石灰による土壌改良はしっかりと行いましょう。
・
連作障害が発生しますので、アブラナ科の野菜を育てた後3〜4年空けてから育てるようにしましょう。
・株間は40〜45センチ前後とします
キャベツの栽培暦・栽培時期
キャベツ栽培におけるおおまかな栽培暦(栽培時期)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により栽培時期は多少前後します。おおまかな目安として
発芽適温は15〜25度、生育適温は15〜20度前後、球結適温は13〜20度となっています。
種は寒冷地では夏まき、一般地域では秋まきが一般的でカレンダーには記載しておりませんが春まきでも栽培可能です。ただしきめ細かな温度管理が必要なので、家庭菜園の環境で育てるのは難しく失敗してしまう可能性も高いです。
土づくり
キャベツは水はけ、水もちが良く肥沃な土を好むので、そのような適した場所を植え付け場所とします。土づくりは苗を植え付ける2週間程前に苦土石灰を1uあたり2握りほど施しよく耕します。元肥は堆肥を中心に化成肥料を1uあたり2握りほど施し再びよく耕しておきます。なお畝幅は50〜60センチとします。
種まき・植え付け
種まき
キャベツは育苗床で発芽させ本葉が2〜3枚になったらポットに植え替え、本葉5〜6枚ほどになるまで育てたうえで畑に植え付けるのが一般的な指針となっていますが、家庭菜園の環境では何度も植え替えするのは難しいと思いますので種を直接ポットにまいて育てるか、もしくは苗を購入するなどして対処しましょう。
なお種まきからはじめる場合は種をまいてから発芽するまでの間、新聞紙などで養生し土が乾燥しないように管理します。
植え付け
植え付けは本葉が5〜6枚ほどになった時点で株間40〜45センチで植え付けます。この時秋まきの場合はまだ苗が小さい状態で冬を越すこととなるので、北側の畝を高くし場合によっては笹や
よしずなどで風よけ対策を施しましょう。また苗の定植時にあわせ防虫ネットのトンネルを設置しておくと強力な虫害対策となります。
追肥・土寄せ
秋まき
秋まきのキャベツは葉が10枚程度の状態で冬を越します。この時期に追肥をすると葉が育ちすぎ
花芽分化が起こってしまいますので、追肥は翌年の3月頃から2週間毎に2〜3回化成肥料を1株あたり1握り施し、軽く中耕して土寄せします。
夏まき
夏まきのキャベツは冬の収穫までに球結させないといけないので、植え付け後2〜3週間が経過し新葉がひらいてきたら10日に2〜3回を目処に追肥として化成肥料を1株あたり1握り施し軽く中耕して土寄せします。追肥は球結し球が握りこぶし程度の大きさに成長するまで行います。なおキャベツの球結適温は13〜20度の間とされ5度以下になると球結の進行は止まってしまいます。
収穫
秋まきの収穫は翌年の4〜5月、夏まきは10〜12月頃となります。球結しスーパー等で見かける一般的なキャベツの大きさまで成長したら収穫のタイミングです。収穫するときは念の為に結球部分の頂上を押さえてみてかたく中身が詰まっていることを確認してみましょう(葉1〜2枚分沈む程度が目安)。
キャベツ栽培の失敗例
キャベツは他の野菜に比べて栽培が難しく失敗する事の多い野菜です。温度管理が難しい上にキャベツを好物とする害虫も多くきめ細かな管理が必要となってきます。いずれにせよ害虫・病気共に発生してしまうと対処が難しいので事前の予防的な薬剤散布が効果的です。
害虫
キャベツを好む代表的な害虫としては
アオムシが有名です。アオムシが発生するのは5,6,9月で春まきのキャベツが被害に遭いやすいです。夏まき、秋まきのキャベツで厄介な害虫が
ヨトウムシや
ネキリムシで植え付けたばかりの幼苗が被害を受けるとそのダメージは計り知れません。
またキャベツが球結し肥大化していく時期がイモムシ類が発生する時期とちょうど重なりますので、数日間目を離したすきにイモムシが大量発生してしまうこともよくあります。イモムシ類は成長するとともにキャベツの中心部へ移動していくので遠目ではその被害は分かりにくく、収穫するときに何気なく葉をめくってみると内部に巨大なイモムシが陣取っていてやむなく廃棄処分したというのもよく聞くお話です。筆者の経験上これらイモムシ類の被害は薬剤の散布だけではなかなか防ぎにくく、防虫ネットとの併用で被害を防ぐようにしましょう。