ピーマン・トウガラシ



ピーマン 栽培 育て方 トウガラシ  ピーマンは南米ペルーが原産とされ、ビタミンA,Cの他、ミネラル類も多く含む色鮮やかで栄養価の高い野菜です。緑色の未熟果を食べるピーマン、赤く熟した実を主に香辛料などに利用するトウガラシなど品種や熟し具合で食べ方が異なるナス科の野菜で、主な品種としてはピーマンの他にピーマンとトウガラシの中間くらいの大きさで程よい辛さが人気のシシトウ、辛みが強く鷹の爪とも呼ばれるトウガラシなどがありますが、いずれも育て方は同じです。
 ナス同様高温多湿で日当たりの良い環境を好み、定植に成功しある程度育てばグングン茂っていく比較的育てやすい野菜です。



ピーマン・トウガラシの栽培・育て方のポイント

連作障害が出やすいのでトマトやナスといったナス科の野菜を植えたら3〜4年ほどあけてから育てるようにしましょう。

・高温を好むので早植えをせず気温が上がって安定してきてから植え付けます(目安は1日の最低気温が10度を上回るようになってから(地温は15度以上)。

・株と株の間は40〜50センチ前後とします。

・弱酸性の土を好みます(適正ph6.0〜6.5)。

・未熟果の収穫は早めに行う

・植え付け初期は生育が遅いが気温の上昇と共に生育速度も増していきます。



ピーマン・トウガラシの栽培期間・栽培暦


ピーマン シシトウ トウガラシ 栽培暦 栽培時期 栽培期間

 
 ピーマン・トウガラシにおけるおおまかな栽培時期(栽培暦)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により栽培期間は多少前後します。
 種まきのおおまかな目安として発芽適温25度以上。また育生適温は25〜30度となっており、高温を好むナス科の野菜の中でも特に温度を必要とする野菜です。幼苗の定植は1日の最低気温が10度を上回るようになってから(地温は15度以上)行います。定植に成功すると栽培は8割方成功したようなもので、あとは秋口まで収穫が楽しめます。



土作り・種まき

 水はけ、水もちが良く、一日中日の当たるような場所を選んで土作りを行います。酸性土壌を嫌いますので植え付けの2週間程前に石灰による土壌改良を行い、元肥として植え付け箇所に穴を掘り堆肥と鶏糞を1箇所当たり1kgと化成肥料を一握り施しておきます。
 高温の環境を好むのでポリマルチで地温を上げておくと表面の乾燥も防ぐことができ初期生育が促されます。
 ピーマン・トウガラシの発芽適温は25度以上と高いので家庭菜園の環境では種から育てるのは難しく、基本的には種ではなく苗を購入して植えるようにします。苗は1番花が付くまでポットで育て、植える際には元肥に直接根が触れないように間土をし風の無い午前中に植えるようにします。
 また苗の植え付けは低温では枯れてしまう事がある為、十分に地温が上がって安定してきてから行うようにし、植え付け時には支柱も一緒に立てておきます。東北地方などの寒冷地では苗が販売されている頃はまだ地温が低い場合が多いので、このような場合気温が十分に上がって安定する定植適期まで鉢上げしてポットの状態で育てるとよいでしょう。大まかな目安としては1番花が咲く直前辺りが定植適期となりますが、温度が足りないのに1番花が咲いてしまった場合は花を摘み取り草勢を維持するようにします。
 なお種から育てる場合、気温に注意する他、古い種は発芽しにくいので新しい種を使用するようにしましょう。
 


追肥・整枝・剪定

ピーマン 剪定 摘芯 整枝 苗の植え付け後、2〜3週間ほどしてから2週間に1回の割合で速効性の肥料を施します。追肥を施した後は軽く土寄せしておきます。追肥をする頃になると順次実を付け始めてきますが、肥料切れをおこすと実の付きが悪くなるので肥料切れには注意しましょう。
 整枝・剪定は1番花が咲き、十分に根付いた頃を目処に行います。整枝、剪定は2番、3番枝を残し1番花から下のわき芽は全て摘み取る3本仕立てとしますが、整枝、剪定は行わずそのまま伸ばしても構いません。ただし整枝、剪定を行わないと枝葉が生い茂り風通しが悪くなることから病害虫の発生原因となるほか、実の栄養が枝葉に取られ実の大きさ、収穫量が悪くなる場合があります。
 また7月も終わりに近づきいよいよ暑さ本番となる頃に切り返し剪定を行えば、新たに新芽が出て秋口に良い実をつけてくれます。
 ピーマンの整枝、剪定は基本的には同じナス科のナスと同じですから、ナスの育て方のページも参考にしてみて下さい。


収穫

 収穫は食べ方に合わせて行っていきます。ピーマンやシシトウなど緑色の未熟果は適当な大きさになったら順次収穫していきますが、大体9月頃まで収穫できます。またトウガラシは完熟させて10月頃に収穫し干して乾燥させてから使用します。
 実が成りだすと次々と出来てくるので未熟果を収穫する場合は放置せずこまめに収穫していきます。放置しておくと株が弱り草勢も衰えてきます。



プランターでの栽培 


 プランターや大きめの鉢でも十分育てる事ができますが深さは最低でも30センチはほしいところです。 またプランターなどで育てる場合には水きれ、肥料切れには十分注意して下さい。特にプランターのような限定的な環境でピーマンのような育成期間の長い野菜を育てる時は肥料切れをおこしやすく、実の付きが悪くなることがあるので気を付けて下さい。


病害虫


 ピーマン・トウガラシは病害虫も少なく育てやすい野菜ですが、連作をすると青枯れ病が発生する事があります。この他モザイク病やハスモンヨトウ、タバコガなどが発生します。特にタバコガは収穫間近の実に穴を開け食害しますが、収穫を間近に控えている時期なので薬剤の使用も制限されてきます。被害果を見つけたら即座に摘み取り処分しましょう。