長芋・山芋(自然薯)の栽培方法



山芋 自然薯 長芋 ヤマイモは中国が原産とされる野菜で栄養豊富な根の部分を食します。ヤマイモには人により品種改良され根が長く太い「長芋」やイチョウの葉のように扇形をしたイチョウ芋、日本原産で滋養強壮に効く山芋(自然薯)など数多くの種類がありますが、強弱はあるものの粘りのあるサッパリとした食感が人気の野菜です。
 ヤマイモの品種はそのほとんどが「ムカゴ」と呼ばれるわき芽が変化した球芽が地面に落ち、発芽して増えていきますが、一度発芽して芽を伸ばすと翌年からは地中に栄養を蓄えた種芋から芽を出すようになります。
 病害虫に強く、ある程度の暑さ寒さにも耐えますが、一人前のヤマイモまで育て上げるのは中々難しく育て甲斐のある野菜です。


※本サイトでは長芋・イチョウ芋・自然薯などを総称して「ヤマイモ」と表記しご説明しております。


長芋・山芋(自然薯)栽培の注意点・コツ

種芋を植えるかムカゴを植えて栽培しますが、種芋から育てた方が成長のスピード・度合いが良いです。

pH5.5〜6.0の弱酸性の土壌を好みます。

発芽させてから定植すると成長が早いです。

乾燥に弱く、根が浅く伸びるので乾燥を防ぐため敷きわらやマルチングを施しましょう。

芋は地面に垂直に伸びるので土作りの際には深く耕しておきましょう。

長芋は連作できないので、2〜3年の輪作とします。






長芋・山芋(自然薯)の栽培時期


長芋 山芋 自然薯 栽培時期

 長芋・山芋(自然薯)の栽培におけるおおまかな栽培時期は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や育てるヤマイモの品種により時期は多少前後します。おおまかな目安として定植時期は平均気温13〜14℃前後、ちょうど桜の花が散った頃。また生育適正温度は25〜30度で湿度が高いとより大きく成長します。



土づくり

 土作りには最低でも植え付けの2週間前には着手し1uあたり一握りの苦土石灰を施し元肥として堆肥を施しておきます。ヤマイモ類は肥料焼けしやすいので使用する堆肥は完熟したものを使用するか1ヶ月ほど前にあらかじめ施しておくよう注意して下さい。
 なおヤマイモは最初の1ヶ月程度は種芋からの養分で成長しますので肥料分はさほど必要とはしません。また芋は地中深く伸びて行きますが、栄養を吸収する根は地表近くの浅い部分に伸びますので、土は深く耕す一方で肥料は地表面に蒔く全面散布とします。



種芋を用意する

自然薯 長芋 山芋 種芋  一般の方が家庭菜園で育てる場合、種芋はホームセンターなどで購入するのが一般的です。地域により異なりますが大体2月中旬頃から店頭に並びはじめます。
 筆者の経験上申し上げれば種芋は大きければ大きいほど良く成長しますので、購入の際には大きさや重さをよく確認するようにしましょう。
 山芋(自然薯)をはじめとした種芋はそのまま畑に植えますが、種芋が大きい長芋は200gほどに切り分け切り面を乾かした状態で植え付けるのが基本です。いずれにせよ種芋を購入した際の説明書きにしたがって処置を施して下さい。

自然薯 栽培 種芋
自然薯の種芋




むかご(ムカゴ)から山芋(自然薯)を育てたい

むかご ムカゴから山芋・自然薯を育てたいのですが むかごはいわば山芋の赤ちゃんで全ての山芋はこのむかごから芽を出し数年かけて立派な芋に成長していきます。逆にいえばむかごから立派な山芋を育てるのは1年という期間ではほぼ不可能です。
 以上の事を踏まえたうえでむかごから山芋(自然薯)を育てる場合、1年目はまずは粒の大きなむかごを選んで育て種芋をつくります。この種芋は前述してあるとおり大きければ大きいほど良く生長しますので1年目で種芋が十分に大きくならなかった場合は2年目も種芋として育て3年目から収穫用に育てるようにしましょう。種芋として使用出来るおおよその目安は重さにして200gほどとなります。また種芋を育てる場合は少々深めの植木鉢を使用するときめ細かい管理ができますし、種芋を堀上げるのも容易です。



種芋を植える(波板・トタンの栽培)

 長芋・山芋(自然薯)の畝はベット畝とし畝幅は60〜70p、ベッドの高さは10p、株間は30pを基本とします。植え穴の深さは7〜8pとし、植え付け後は乾燥を防ぐために敷きわらを施します。またつる性の植物ですから1〜2mの支柱を立てツルを誘引します。気温の上昇と共に成長の度合いも増してきますが、1つの株からツルが複数本伸びている場合は一番勢いのあるツルを残して欠き取ります。
 


波板・トタンを使用して栽培する
 ヤマイモ類は根が地面に対して垂直に伸びていくので収穫するときに深く地面を掘り下げなければなりません。この時の労力を軽くするために用いられるのが波板もしくはトタンです。使い方は簡単で種芋の植え付け前に波板かトタンを斜めに敷いておくだけです。するとヤマイモは波板やトタンに沿って伸びていくので収穫するときの手間が省けるというわけです。
 ただし筆者の経験上から申し上げれば、熟練の農家の方が地力のある畑で育てるヤマイモと異なり家庭菜園の現場ではヤマイモ類は市販のものよりも一回り小さくなるのが一般的ですので、まず1年目は波板やトタンは使用せず栽培し、もし必要だと感じたら翌年から使用するようにしてみてはいかがでしょうか?また使用する際は鋼板で切断の困難なトタンよりも、塩化ビニール製で安価なうえに加工も容易な波板の方が個人的には良いと思います。



肥料

 ヤマイモ類は最初の1ヶ月ほどは種芋の養分で成長しますので、元肥は堆肥を施す程度で十分です。
 追肥は種芋から養分の吸収が終わる6月下旬(ツルの高さが腰の辺りまで伸びた頃)と平均気温が上昇し根が肥大しはじめる7月下旬〜8月上旬頃に施します。また前述してありますが、栄養を吸収する根は地表近くの浅い部分に伸びますので、肥料は地表面に蒔く全面散布とします。



収穫

 収穫は葉が黄色くなる10〜11月頃。葉茎の養分が完全に根に移った時点で収穫します。収穫は芋の手前を掘り、反対側は土に張り付くような状態で掘り下げていきます。芋の先端が見え全体が確認できたら折れないように丁寧に取り出します。