ズッキーニ



ズッキーニ 栽培 育て方 難しい ズッキーニは北アメリカ西部からメキシコにかけてが原産とされ、イタリアで品種改良されたのが現在流通しているズッキーニです。
 見た目は太めのキュウリのようですが、実はカボチャの仲間でつるなしカボチャのペポカボチャに近い野菜です。
 食するのは花や未熟果で食感はナスによく似ており、油との相性がよいので主に揚げ物や炒め物に利用されるイタリア料理の定番野菜です。
 カボチャ同様ビタミン類が豊富ですがカロリーは控えめになっています。




ズッキーニの栽培・育て方のポイント

連作障害は出にくい野菜ですが、できれば1〜2年あけて栽培しましょう。

・カボチャの仲間ですが直立する「つるなしカボチャ」なのであまり場所を取らず少ない栽培面積で立体栽培する事ができます。

・株と株の間は50〜60センチ前後とします。一般的なカボチャとは異なり比較的狭い栽培面積で育てる事ができます。

・弱酸性の土を好みます(適正ph6.0〜6.5)。

・収穫は早め早めに行いましょう。



ズッキーニの栽培期間・いつまで栽培できるの?


ズッキーニ 栽培期間 収穫いつまで

 
 ズッキーニにおけるおおまかな栽培期間は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により栽培期間は多少前後します。
 種まきのおおまかな目安として発芽適温は日中で25℃以上(夜間は20℃)で、生育温度は18〜23℃と、温暖な気候を好みます。 発芽後も寒さに弱い傾向があるので、最低でも18度を保てるような場所が良いでしょう。またお盆が過ぎ気温が下がってくると次第に勢いが衰えてきてシーズン終了となります。この為、露地栽培の環境下では秋や冬の栽培は難しいです。なおズッキーニの一般的な栽培期間は植え付けから2〜3ヶ月となっています。
 


土作り・種まき

 土作りは植え付けの2週間程前に苦土石灰をまき、深く耕したうえで堆肥を多めにまぜ、化成肥料を1uあたり2〜3握りほどまき幅60センチ以上の高畝を作っておきます。この時ポリマルチでマルチングをしておくとよいでしょう。
 種は桜が散り始めた頃を目安に1箇所あたり4〜5粒蒔き、しっかりと覆土してたっぷりの水を遣ったうえで保温の為にホットキャップをして発芽を促します。
 5日ほどすると芽が出てくるので本葉2〜3枚ほどになったら間引きポリマルチを施して無い場合は乾燥を抑える目的で稲わらを根元に敷いておきます。なお関東以北では種まきに必要な地温の確保が難しい場合があるので、この場合はポットに種をまいて育苗してから植えるか、苗を購入して植えるなどするとよいでしょう。



支柱(立体栽培・直立栽培)

 ズッキーニはカボチャの仲間ですが「つるなし」なので平面ではなく立体的に伸びていきます。この為、風が強かったり大雨時には倒伏してしまうこともあるので、心配なら支柱を2本ほど立ててズッキーニを固定し直立栽培します。これは一般的に立体栽培と呼ばれている栽培方法です。



追肥

 間引き後は放任しておいても元気に育っていきますが、生育が悪いようでしたら液肥などの速効性の肥料を施します。
 また逆に葉がたくさん茂ってきたら適当に剪定します。葉が茂りすぎると日当たりが悪くなり蒸れるようになり実が腐る原因にもなります。



受粉

ズッキーニ 受粉 ズッキーニには花粉を出す雄しべのみの「雄花」と実を形成する雌しべのみの「雌花」があり、自然界では雄花と雌花の受粉は昆虫が行うのですが、雨や低温といった様々な理由により受粉する前に雄花が落花してしまう場合がありますので、確実に受粉させる為に人工授粉を行います。特にズッキーニは雌花が沢山咲く上に、未受粉だと実が腐ってしまいますので複数の実が腐るようでしたらこまめに人工授粉を行うようにしましょう。
 人工授粉は簡単で早朝(朝8時以降は受粉しにくくなります)花弁を取った雄花の雄しべを雌花の付け根部分(子房)になっている柱頭に触れさせます。
 雄花の数が少なく足りないようでしたら「トマトトーン」でも代用できます。



収穫

ズッキーニ 収穫 育て方  開花後4〜5日を目処に収穫していきます(遅くとも1週間以内)。収穫は15〜20センチの未熟果をヘタの上からハサミで切りとり行います。実が大きくなると味が落ちてきますし小さいうちに早め早めに収穫していくと株も疲れず長い期間収穫する事ができます。なお雨の日などに収穫すると軟腐病の原因となることがあるので気を付けて下さい。また早く葉や茎にとげがある場合があるので軍手などをつけて収穫するようにしましょう。
 家庭菜園の環境において1株で収穫できるズッキーニの量は品種にもよりますが5〜8本ほどです(10本以上収穫する強者もいます)。

ズッキーニが腐る


 初心者の方からよく「ズッキーニが腐る。栽培は初心者には難しい」というお話を伺います。確かにどちらかというとズッキーニの栽培は難しい部類に入るとは思いますが、ズッキーニが腐ること自体にはちゃんと原因がありますので、その原因を解決する事によりズッキーニが腐る被害を減らす事ができます。
 ズッキーニが腐る主な原因は以下の3つです。実際には複数の原因が重なって発生する場合が多いので原因の特定は難しいかもしれませんが、ひとつひとつ解決していくことによって腐るのを最小限に抑える事ができます。


受粉不良

 ズッキーニは雄花と雌花がある植物です。実のなる雌花が十分に受粉していないと実が生長せず未熟なまま腐ってしまいます。原因としては雌花の数に対して雄花の数が少なかったり天候不順が続き受粉を行う昆虫の活動が低下する事などが考えられます。
 対策としては人工授粉を行う。一株だけで育てるのではなく複数株を植える。「トマトトーン」を使用する等があります。


つるボケ

 つるボケは栄養が葉茎に行きすぎて根や実の生長が阻害される現象です。ズッキーニの場合葉が茂りすぎると実に栄養が十分に行かず成長が阻害され腐ってしまいます。特に連鎖的に実が腐るようでしたらつるボケが原因の可能性が高いです。
 対策としては適時葉を剪定する。これにつきます。



高温・乾燥・多湿

 ほとんどの野菜は極端な高温、乾燥、多湿を嫌いそのような環境になると様々な生理現状が現れてきます。ズッキーニの場合はこれが「実が腐る」という形で現れてきます。長雨が続いたり、30度を超す気温が連日続いたりした時に(ちなみにズッキーニの生育温度は18〜23℃)実が腐り出したら疑ってみて下さい。
 対策としては葉の適切な剪定を心がけ風通しをよくする、根元に稲わらなどを敷き乾燥を防ぐ、水はけの良い場所に植える等がありますが、多湿な環境の場合はカビを原因とする病気も発生する事があるので特に気を付けて下さい。



プランターでの育て方 


 大型のプランターや大きめの鉢でも十分育てる事ができますが、水きれ、肥料切れには十分注意して下さい。他は露地栽培に準じます。


病害虫


 葉が茂り蒸れるようになるとモザイク病や灰色かび病などが発生しやすくなります。実が腐り出す原因にもなりますので葉が茂りだしたら適度に剪定しましょう。
 また葉の白い紋様がよくうどんこ病と間違えられるのですが(下の写真を参照)、これは病気ではないので気にすることはありません。
 またウリハムシやアブラムシが発生する事があります。

ズッキーニ うどんこ病