ゴーヤ(ニガウリ)
ゴーヤはビタミンCをはじめとしたビタミン類やミネラルを沢山含み、血糖値や血圧を下げる効果もあるということで注目を集めているキュウリと同じウリ科の野菜です。栄養豊富な健康野菜であるうえに下葉が枯れにくく耐暑性が強いのでネットに這わせて緑のカーテンをこしらえ日よけとして利用するのも話題を呼び、家庭菜園では人気の野菜のひとつとなっています。また病害虫の被害が少なく生育も旺盛で育てるのが簡単なのも人気な理由の1つのようです。
原産地は東南アジアといわれ日本では沖縄・九州地方を中心に栽培されてきましたが、近年は関東地方でも栽培されています。また家庭菜園では東北地方でも栽培されていますが、やはり収量やサイズは関東以南のものに比べると少ない傾向にあるようです。
ゴーヤ(ニガウリ)の栽培・育て方の特徴・コツ
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連作障害があるので2〜3年ほどあけて育てるようにします。
・強靱な性質なので高温乾燥に強く日当たりと風通しがよければ元気に育ってくれます。
・株と株の間は50センチ前後とします。
・収穫が遅れると見た目は大丈夫そうでも実そのものは固くなり食味が極端に落ちますので、収穫は遅れないように心がけましょう。
・成長してきたら風通しがよくなるようにつるを誘引します。
・酸性が苦手です(適正ph6.0〜7.0)。
ゴーヤ(ニガウリ)の栽培期間・栽培暦
ゴーヤ(ニガウリ)におけるおおまかな栽培期間(栽培暦)は上記の通りとなります。あくまでも標準的な時期を示していますので、実際には皆さんが住んでいる地域の気候や栽培する品種により栽培時期は多少前後します。おおまかな目安として
発芽適温は25〜28度。また育成適温は18〜28度で、15度以下になると生育は止まってしまいます。夏も終わり15度以下の環境となっても枯れるようなことはありませんが(10度以下になると枯れていきます)、収穫はほとんど望めなくなるのでシーズン終了となります。ちなみにゴーヤの冬の育て方や「栽培はいつまで?」といった質問をよくされる事があるのですが前述してあるとおりゴーヤは気温15度以下となると成長が止まってしまうので、冬でも最低気温が15度前後の沖縄以外では冬にゴーヤを育てるのはなかなか難しいと思います。
土作り・種まき
低温が苦手ですので遅霜の心配がなくなる4月中旬〜5月上旬頃に苦土石灰を施した幅1m程の畝に株間60センチ、直径30センチ、深さ30センチの穴を掘り堆肥、油かす、化成肥料を土と混ぜ山高にします。ゴーヤは収穫期間が長いので元肥は多めに施ししっかりとした土作りを行います。また土壌は特に選びませんが酸性土は苦手ですので(適正ph6.0〜7.0)苦土石灰による土壌改良はしっかりと行いましょう。
ゴーヤは発芽適温(25度以上)になればよく発芽しますが、種の殻が固いので種の先端を爪切りなどでカットしたり、一晩水に浸けておいたりすると更に発芽しやすくなります。種は1穴に3粒づつ蒔き1cmほど覆土をします。
ポットに種を蒔き苗から育てる場合、5号ポットに肥沃な土を入れ種を3粒蒔いて暖かい場所で本葉が4〜5枚になるまで育ててから畝に植え付けますが、定植時は最低気温が15度以上となってから行った方が根付きが良いです。低温が心配される場合は
ポリマルチなどを施し低温対策を行いましょう。
摘芯
摘芯は仕立て方によって異なってくるのですが、親つるは雌花が付きにくいので通常は本葉が4〜5枚となった時点で親つるの先端を摘芯し子づるを3〜5本伸ばします。子づるから出る孫つるは互いが干渉して風通しが悪くならないように誘引していきます。
なお摘芯せずそのまま放任しても育てる事は可能です。また地這でもそれなりに育ちますが、果実が直接地面につき腐る事があるのであまりお勧めはしません。
ネットの張り方
ゴーヤは生長するにしたがい子づるや孫づるを風通しが良くなるようにネットや支柱に誘引していきます。ネットはキュウリネットなどを利用するとよいでしょう。またネットの張り方や支柱の立て方に特に決まりは無く、棚を立てて棚作りにする事もできます。いずれにせよ風通しにだけは気をつけて葉茎が重なり合い風通し、日当たりが悪くなるような事は避けるようにしましょう。
追肥
子づるが出始めたら様子を見ながら追肥を施します。追肥は窒素分を中心とした化成肥料を株元に施しますが多肥にする必要はありません。また収穫が始まったら実の大きさ、多さを見て2週間を目処にこまめに追肥を施すようにしましょう。
収穫
開花後15〜20日ほどしたら未熟果を収穫します。果皮のイボがふくらんで来るのが目安ですが、収穫が遅れると果皮が弾け赤色の種子がでてきてしまいます。こうなってしまうと食べるには適さなくなってしまいます。また表面は緑色でも果実の内部が赤色に変化してしまうことがありますが、これは表面からは判断できないので、収穫は表面が鮮やかな緑色のうちに早め早めに行うようにしましょう。
下の写真は表面は緑色ですが果実の内部が赤色に変化し始めています。こうなってくると食味も格段に落ち食べるに適しません。
プランターでの栽培
ゴーヤをプランターで育てる場合、深さが30センチ以上のプランターを使用しましょう。非常にタフな野菜ですが、乾燥には弱いので水切れには注意して育てましょう。また同じウリ科のキュウリなどと一緒に育ててみるのも一案です。
栽培失敗例 育たない
病害虫には強く希にアブラムシやうどんこ病が発生する程度です。十分な気温と水分があればゴーヤの栽培に失敗するような事はないと思います。
また寒冷地でも高温となる夏場を中心にそれなりに育ってくれますが、高温を好む野菜ですから秋口に入り気温が下がってくると育たなくなり、実も付かなくなるか、付いても小さいまま成熟してしまいます。