畝 作りの間隔や方向について



家庭菜園 畝作り 「畝」とは野菜を作る課程において畑の土を盛り上げ、野菜の種や苗を植えるスペースを確保するもので、水はけを良くしたり、日光を嫌う根元部分を保護したり、畑を区画したりする目的があります。
 この畝は「ふつう畝」と「ベッド畝」に大別できますが、畝の幅は育てる野菜や畑がある環境などによって異なり、厳密に何センチと決まっているわけではありません。しかし畝作りは家庭菜園における大切な作業の1つですので、その基本はしっかりと押さえ、その上で皆さんの環境に適した畝作りを行う必要があります。



畝は必要か?


 よく「畝は必要なの?」と質問されることがあるのですが、確かに枝豆やシソといった放任してもよく育つ野菜は他の条件がよければ畝に植えなくてもよく育ちます。枝豆なんかは田んぼのあぜ道に蒔いて育てている農家の方もおられるほどです。またカボチャのように畝が不要の野菜もあります。
 しかし基本的に畝が不要の野菜以外は畝はあるにこしたことはなく、スペースが限られている家庭菜園の現場における花壇や生活通路等との混在化をさける為にも畝はあると便利です。仮に畝作りの作業を省いたにしても土作りの段階でスコップや鍬を用いて土を耕やすという作業はありますので、面倒くさがらずに畝は作っておいた方が無難です。


畝が不要の野菜

 カボチャ、スイカ、冬瓜、ヘチマ、オクラ、サヤインゲン、サヤエンドウ 等


畝の間隔・幅


家庭菜園 畝

 畝の幅は種のまき方や苗の植え方にもよりますが、間隔や幅を決める一番の要素は植える野菜の根や茎葉がどれくらい大きく広がるかによって決まってきます。
 大きく広がって育つ野菜の場合は畝幅60センチ程度の普通畝に一条植え(一列に植えること)にするのが一般的です。2条植えにする場合はその野菜に適した条間を確保できる畝の幅にします。
 例えばタマネギを2条植えにする為には条間は最低でも20センチ必要ですから20センチ+作業通路までの幅として15センチ×2でベッド幅は最低でも50センチ必要です。作業通路は30センチは必要ですから畝の間隔・幅つまり畝幅は80センチとなるわけです。
 もうひとつ畝の間隔・幅を決める要素としてポリマルチがあります。ポリマルチは地温の上昇や雑草の抑制などに効果がある便利なツールで家庭菜園の現場でもよく使用されていますが、当然の事ながらベッド幅はポリマルチの幅より狭くなります。参考までに申し上げれば一般的によく使用される幅95センチのポリマルチを設置した場合、ベッド幅は大体65〜70センチ前後となります。


畝の間隔・幅を決めるのはその人しだい

 本項では畝の間隔や幅の決め方、考え方の基本をご説明してきましたが、前述してあるとおり決まった数値があるわけではありません、人によっては1m真角の正四角形の形で漢字の田のように畝を作っている人もいます。また畝幅を30センチ程度にして色々な種類の野菜を育てている方もよく見かけます。つまり畝の間隔や幅はその人の考え方や環境次第で色々変わってくるということです。皆さんも畝作りの基本や考え方はちゃんと押さえた上で、自分に適した畝を作ってみて下さい。



畝の方角・向き


 畝は通常は日当たりにあまり差のでない南北方向に作ります。ただしこれは周辺に遮蔽物がない日当たりのよい畑の場合で、一般の家庭茶園の現場では民家が隣接しており日照条件も異なってきますので東西の方角に畝を作った方が日当たり良い場合は、畝の向きを東西にします。また秋から冬の間は太陽の日中高度が低い為、夏場日当たりが良かった場所でも日陰になってしまう場合が多々あります。このような場合も冬でも日が当たる場所を狙って東西の方角に畝を作るようにします。



畝の作り方


 畝作りは最初に目標とする畝幅にひもを張り、そのひもに沿って外側から内側に向かって鍬で土を上げていきます。片方が終わったら今度は反対側も同じように内側に向かって土を上げていきます。すると、畝の端の線と端の線との間に土の山ができ上がります。これを均してできあがりです。
 使用するひもはなんでもOKですし、ひもを留めるピンも割り箸で十分対応できます。
 また畝の高さが低いベッド畝などでは畑を整正するだけでできあがります。
 畝の高さは通常は10センチ程度ですが、水はけの悪い土地は20センチほどの高畝とし、乾きやすい土は10センチ以下の平畝とします。また土が「ふかふか」すぎると野菜を育てている過程で地面が沈下し、野菜の根元が露出し最悪の場合、大雨や強風時に倒伏する事がありますので畝作りの際に軽く地面を押さえておくとよいでしょう。
 畝の種類は植える野菜によって異なってきますので各野菜の育て方のページを参考にしてもらいたいのですが、参考までに例をあげると大根キャベツ白菜などは普通畝が、ほうれん草や春菊といった株が大きくならない葉菜類にはベッド畝がよく使用される傾向にあります。